【1】概要
・1960～70年代に制作されたKlangfilm/CCCP（ソビエト連邦） 20㎝フルレンジ（ウーハー）、東独RFT 80X130mm口径ツィータを、25mm厚の重量級パイン集成材による後面部分開放型エンクロージャー（ROTE ：Rear Open Type Enclosure) にセットしたシステムのペアです。
・ユニットはいずれもシアター、音声モニター用として定評あるもので、高能率かつ音が前面に張り出してくる快感を伴うものです。
・シアター用でも大劇場PA用ではなく、ウォールマウント、音声モニター用ですので広帯域で家庭用スピーカーとして適したものです。
・フルレンジはソ連の国営企業がKlangfilm仕様に基づき開発・製造したものです。
・戦火のウクライナ・リヴィエからサルベージした貴重品でかつ20㎝口径のフルレンジの傑作です。
・ツィータはRFT製の著名なユニットで分厚く素晴らしい高音を聴かせてくれます。
・あまり知られていませんが、Siemensの超有名なオイロダイン後期型などのKlangfilm大型シアターシステムにはRFT製のユニットが多数使用されていています。
・1960年代以降のKlangfilmシステムはTESLA, RFT, CCCPのユニットが多用されていた様です。
・この組み合わせによる2Wayは広帯域、広指向性を有しており、家庭用として優れた性能・音質を実現していると思います。
・特にJAZZ, ポピュラー、ボーカルなどが生々しく再生されます。
・現代の低能率のスピーカーと異なり、様々な機械的ストレスがほとんど無いヴィンテージユニットはアンプからの入力信号を余すところなく快活に再現します。
・このシステムは、超軽量コーン、強力マグネットによるフルレンジから弾むような高レスポンスの低音、強力ツィータにより輝かしい高音を再生していると思います。
・能率は高いので、中小出力の真空管アンプにも最適です。
・同構成のシステムを購入いただいた方からのご感想です。
Aさん「さすが大口径ユニットだけあって、小口径ユニットシステムとは音のリアルさが桁違いに良いです。また能率が非常に高く2Wの真空管アンプで朗々と鳴るのには驚きました」
Mさん「有名なビンテージシステムを常用していましたが、周波数レンジが狭くクラシックや最近のソースではストレスを感じていました。このシステムは再生レンジが広く、また能率が非常に高いのでわくわくする音がしますね。現用の高価格システムは即引退となりました」
Hさん「低音から高音まで音に力があり素晴らしい。またツィータの音が太く質が最高！」
【2】システム・ユニット仕様と状態
「システム全体の仕様」
・再生可能周波数帯域：45～18000Hz
・能率：95db/W・m
・インピーダンス：5Ω
・最大入力：15W
「フルレンジユニット」
・型式：4GD-35
・口径：20cm
・エッジ：フィックスド
・コーン：超軽量、フィックスドエッジ
「ツィータユニット」
・型式：RFT L2160 PO/F 80X130mm口径
・コーン：超軽量、フィクスドエッジ
「状態」
・全ユニット良好
【3】エンクロージャー：
・型式：後面部分開放型（ROTE)
・フルレンジコーン面積を開放しており、コーンは最適な動きをしています。
・後面にも音が拡散されますのでスケールが大きな音が得られています。
・サイズ：幅275mm、高さ387mm、奥行227mm
・材質：天地側面は25mm厚の天然木パイン集成材、バッフル、裏板はMDFです。
・パインは節の無い最高級グレードです。
・板厚、重量が有りますので不要な雑音は抑え込まれ、深くクリアな低音が安定して出てきます。
・外装：100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのナチュラルオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨仕上げています。
・サランネット：黒のジャージネットによる頑丈なサランネットが付属します。
・家庭用機器としては音的にも美観的にもサランネットは必須です。
・入力端子：2Pのハーモニカ端子でYラグ、またはケーブルむき出し線が接続可能です。
・バナナプラグ、極太ケーブルなどほとんどのタイプのスピーカー端子が接続可能な金メッキ金属削りだしのアダプターが付属します。
【4】音：
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・能率が高くワイドレンジで生き生きした音です。
・1950年～70年代のJAZZやロックはソロやボーカルがぐんぐん前に出てくる再生でよくスイングします。
・ソニークラークの「クールストラッティン」ではアルトサックス、トランペットのソロが前にせり出しハードバップの醍醐味を味わえます。
・また、ECMのキースジャレットトリオの演奏は非常に透明感があって透き通るような音でクールに再生します。
・ボーカルは抜群の再生を示します。
・「ヘレンメリル ウィズ クリフォードブラウン」ではボーカル、トランペットが前に出てきて非常に生生しく再生されます。
・フィリックス・アーヨの「四季」は落ち着いた弦の響きが素晴らしいです。
・私の頭にバイアスがかかっているかもしれませんが、旧ソ連、東欧のクラシック、JAZZの再生は抜群に優れているようです。
・全体としてアコースティック系の音楽には非常に相性が良い様です。
【5】その他
・スタンドは含みません。
・ご希望があれば拙著「6万円で創る究極の音」を同梱いたします。
・下記URLはビンテージスピーカーシステムの記録を解説したブログです。
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/cat_347256.html
・下記URLはビンテージスピーカーシステムの記録を解説したブログです。
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/cat_347256.html